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Q 主な根抵当権の元本確定事由は何か。
A 元本確定事由
(民法398条の20)
・根抵当権者自身による抵当不動産に対する差押え
・第三者が抵当不動産に対する差押えを知った時から2週間経過(※)
・債務者又は設定者が破産手続開始の決定を受けたとき(※)
(民法398条の19)
・根抵当権設定者による元本確定請求の時から2週間経過
・根抵当権者による元本確定請求をした時
(民法398条の8)
・根抵当権者又は債務者が死亡したとき(※)※設定者が死亡しても元本確定しない
(民法398条の6)
・元本確定期日の到来
(その他)
・根抵当権者と設定者との合意
・特約で元本確定事由と定めた事由の発生※特約により民法で定められた元本確定事由を排除することはできないと解されている。
Q 所有者兼債務者が死亡し、所有権につき相続による移転登記がなされているが、根抵当権の債務者の変更登記がなされていない場合、登記簿上元本が確定していることがあきらかといえるか。
A 先例によれば、あきらかといえない。ただし、法務局によっては、あきらかと判断する可能性もあると考えられる。個別に相談が必要。
Q 債権一部弁済又は譲渡により根抵当権一部移転の登記をする際には、弁済額又は譲渡額を登記することとなっているが、更に別の者に対し、残債権全部の弁済又は譲渡をした場合は、弁済額又は譲渡額を記載するか。
A 弁済額又は譲渡額を記載する。
課税価格は、譲渡額。ただし、譲渡額が極度額を超えるときは極度額。
(いわき支局確認済み)(登記インターネット4巻5号※未確認)
Q 下記事例でAの持分のみに第三者による差押がされた場合、根抵当権は元本確定するか。
事例
甲区 共有者 持分2分の1 A、2分の1 B
乙区 根抵当権設定 債務者 C、根抵当権者 甲
A 元本確定しない(20110316長野本局確認済み)。なお、根抵当権者自身がAの持分のみに差押をした場合は、確定する(登記研究649号197頁)。2週間経過により確定する。なお、根抵当権者自身がAの持分のみに差押をした場合にも確定し、この場合は確定の登記を要しない(登記研究649号197頁)
Q 上記事例で根抵当権者による元本確定請求をしようとする場合、Aのみ又はBのみにすれば足りるか。
A Aのみ又はBのみでは足りない。A及びBの両方に元本確定請求をする必要がある(20110316長野本局確認済み)。
Q 物件1(所有者A)及び物件2(所有者B)に対し設定された共同根抵当権を民法398条の19第2甲の規定に基づき、根抵当権者による元本確定請求をしようとする場合、Aのみ又はBのみにすれば足りるか。
(民法398条の17第2項によれば、足りると考えられる。)
A Aのみ又はBのみでは足りない。A及びBの両方に元本確定請求をする必要がある。到達日が違う時は、遅いほうの到達日に元本確定する。(登記研究 )